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原田作品の特長で初めのくだりからうるうる感動させてくれる。主人公の円山歩と同僚柳沢清音との退職時でのやりとり、そこから次々に感動の山が出てくる。推理小説なら結末が予想できるが、この作品の結末は予想できなかった。主人公歩がデベロッパーを退職して映画雑誌に勤めることになる、そのきっかけもおもしろい。そして、海外ブロガーとの予期せぬ展開 ・・・ 。映画愛にあふれた作品だ。本文に出てくる映画のタイトルも気になる。「ワーキング・ガール」「テルマ&ルイーズ」「自転車泥棒」「或る夜の出来事」「カサブランカ」「シャイニング」「ライフ・イズ・ビューティフル」「グッドナイト&グッドラック」「ブロークンバック・マウンテン」「ローマの休日」「フィールド・オブ・ドリームス」などなど、そして「ニュー・シネマパラダイス」観たこともあれば観たこともない作品もあり映画の興味が増してくる。まるで映画を1本観たような感動する小説になっている。