「二・二六事件 蹶起将校 最後の手記」の読書感想文をご紹介します。
山本又が遺した手記は、二・二六事件という歴史的事件を、単なる過去の出来事としてではなく、現代にも通じる問題として捉え直すための貴重な資料となっていると思います。
この手記は、事件に至るまでの青年将校たちの苦悩や葛藤、そして理想と現実の狭間で揺れ動く彼らの姿を、生々しく描き出しています。
彼らは、当時の社会の矛盾や閉塞感に対し、純粋な理想を抱き、それを実現しようと行動しました。
しかし、その行動は、結果として多くの血を流す悲劇へと繋がってしまいます。
本書を読むと、彼らの行動を単純な「テロ」や「反乱」として片付けることはできない、彼らには、社会を変えたいという強い思いがあったことがわかります。
しかし、その方法論は、現代の私たちから見ると、あまりにも過激で、そして悲劇的でした。
この手記は、私たちに、理想と現実のギャップ、そしてその狭間でいかに生きるべきかという問いを投げかけます。
彼らの行動は、決して肯定できるものではありません。
しかし、彼らが抱いていた社会への危機感や、理想を追求する姿勢は、現代社会にも通じるものがあるのではないだろうかと感じてしまいます。
本書を読み終えた後、私は、改めて、社会と向き合い、自分にできることを考えようと思いました。