シリーズの中でもいちばん「正義って何なんだろう」と考えさせられた一冊でした。被害者も加害者も、遺族も警察も、誰もスッキリ綺麗な側には立てなくて、読んでいてずっと心のどこかがざらついていました。
ホテルという非日常の空間に、過去の事件で傷ついた人たちが集まってくる構図は、エンタメとしてはすごく面白いのに、その裏でずっと「この人たちは本当はここで何を望んでいるんだろう」と考えてしまいます。復讐したい気持ちも、裁かれなかった怒りも、きれい事では片付けられない温度で描かれていて、胸が重くなりました。
新田と山岸の再タッグにワクワクしながら読んでいたはずが、読み終えたときには事件のトリックよりも、「許されなかった感情」をどう抱えて生きていくのか、そちらの方が強く残りました。シリーズの中でいちばん、楽しいだけでは終われない、苦い後味を残す作品だと感じました。
複雑に絡み合った人間関係と、被害者・遺族・捜査側、それぞれの“罪と贖罪”“復讐と正義”というテーマが重層的に描かれており、読後には「罪とは何か」「人を裁くことの正当性とは何か」を改めて考えさせられました。 
また、シリーズを通した登場人物たちの成長や葛藤特に主役コンビの信頼関係や、それぞれの立場での揺れ動きが物語に深みを与えており、単なる“謎解きミステリー”以上の読後感が残ります。 












