今まで生きてきた中で、あなたは何回夢を見てきましたか。数えきれないほどでしょう。夢は夜訪れ、一瞬で時間の経つ感覚を無くします。そして、目覚めるとユーモラスで、感動的で、時には残酷な冒険の記憶が虚無と共に消えていきます。でも、心の奥底には何かが残りますよね。「あの夢の続きが見たい」とか、「あの夢にもう一度会ってみたい」と感じる瞬間。だから、夢は私たちが忘れても、私たちの中に存在し続けるのだと思います。それは夢以外のなにものでもない魔法です。

この絵本シリーズもまさにその魔法を体現しています。明るく、眩しく、そしてちょっぴり哀しい。そこに描かれているのは、眠りについたときだけ訪れるような不思議で美しい世界。それは見ているだけで心が豊かになり、思わず微笑んでしまう。でも、目を閉じれば再びそれは遠くへと消えてしまいます。本を閉じる瞬間、まるで夢から覚めるような感覚がそのまま体験できます。

なんというか、この絵本シリーズを手に取ったとき、私たちはまるで子供の頃に戻るようです。誰しもが忘れかけていた夢見る力を呼び覚まし、純粋な驚きと感動と共に、一緒に冒険へと導いてくれる。それはまるで大人の絵本版の「不思議の国のアリス」のような存在感があります。

そして、最後には自然と涙がこぼれます。でも、それは決して悲しみからくるものではありません。失った何かを再び取り戻せた喜び、新たな夢を見ることができた感激。だからこそ、虹のように美しい涙が溢れ出します。

たまには現実を忘れ、このシリーズの世界に足を踏み入れてみてください。それが、あなただけの特別な時間をつくる一歩になるかもしれません。あなたの夢とこのシリーズが、何か素晴らしいものを生み出すことを願っています。