上海の歴史を学べる本3選
上海と聞くと、豪華な建築物や華やかな都市イメージが思い浮かびますよね。しかし、その華麗な街並みの背後には激動の歴史が隠されています。一冊目には、昔からの風俗習慣や伝説を深く掘り下げ、上海の歴史的背景を学ぶことができます。二冊目は、20世紀初頭の上海を舞台に、歴史の流れをリアルに感じられる作品。街の発展とともに変わる人々の生活をダイレクトに描いています。三冊目は、一人の女性を通じて国際都市としての上海の歴史を刻んでいきます。登場人物の視点で見る上海の変遷は、まるでタイムスリップを体験しているかのよう。この3冊で、上海の深くて揺るぎない歴史を感じてみてください。
『上海 : 多国籍都市の百年』
| 作者 | 榎本,泰子,1968- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 中央公論新社 |
| 発売日 | 2009年11月 |
『上海の日本人街・虹口 もう一つの長崎』
古くから長崎と上海は東シナ海を挟んだ
海のゴールデン・ルートだった。
帝国主義の時代、欧米の列強は中国を蚕食し、
各地に治外法権の租界を形成した。
上海の共同租界の一角に作られた日本人街は
10万人を超える人々が活動し、その多くが長崎人だった。
さびれた寒村から一気に東洋一の大都市へと変貌した
上海は、「魔都」と呼ばれる繁栄と貧困、歓楽と犯罪、
多くの矛盾を抱えた植民地の象徴でもあった。
多くの日本人が進出し、日本人街が形成され、
栄華を極めるかに見えた裏で、反日の狼煙があがる。
やがて、居留民保護のため陸戦隊を上陸させた日本軍と
共同租界の周辺で武力衝突が発生（第一次上海事変）、
その後、37年の盧溝橋事件を期に本格的な日中戦争に突入、
日本軍は上海を占領する。
しかし、太平洋戦争の敗北によって、日本人街は崩壊する。
引揚げは満州とは異なり悲惨なものではなかったが……。
本書は、上海の日本人街の歩みを長崎人の関わりを通して描く、
日中関係史の側面史である。図版多数収載！
【収録内容】
序 言
1「魔都」といわれた上海
2 虹口に形成された日本人街
3 上海と長崎の結びつき
4 上海の夜を彩った長崎の女性たち
5 増大する日本人の進出
6 上海の反日ストライキーー「五・三〇運動」
7 第一次上海事変（1932年）
ーー戦争のなかの上海
8 第二次上海事変（1937年）
ーー日本の上海占領へ
9 中国から見た二つの上海事変
10 日本人街の崩壊と上海日本人居留民の引揚げ
後 記
| 作者 | 横山 宏章 |
|---|---|
| 価格 | 2750円 + 税 |
| 発売元 | 彩流社 |
| 発売日 | 2017年06月13日 |
『上海歴史ガイドマップ増補改訂版』
| 作者 | 木之内誠 |
|---|---|
| 価格 | 3520円 + 税 |
| 発売元 | 大修館書店 |
| 発売日 | 2011年12月 |
それでは、上海の歴史を学べる本たちを3冊、ご紹介させて頂きました。上海という地には、刻々と変化し続ける現代の都市風景の背後には、過去のさまざまな歴史的出来事が織りなす深い背景が存在します。それは、もちろん中国全体でも感じられることでしょうが、上海はその一端を凝縮したかのような町ではないでしょうか。
歴史の中には、深刻な事件や悲劇も含まれており、それを知ることで現在の上海の姿がより深く理解できるでしょう。また、題材として選んだこの3冊は、ただ事実を知るだけではなく、登場人物たちの人間ドラマを通じて、その時代背景を感じられる作品ばかりです。
上海と言えば、華やかな夜景やモダンな建築物、活気ある市場など目を引く要素が多いですが、その華やかさの裏側で何が繰り広げられてきたのか、この機会に是非とも知っていただきたいと思います。そして、それぞれの時代ごとの上海の様子、人々の営み、歴史的事件の背後にある人間ドラマに触れることで、一見するだけでは見えない上海の「深み」を感じていただければ幸いです。
そして更に、これらの本を通じて上海への興味が深まった方は、是非一度訪れてみてください。その足で実際に上海を体感することで、読んだ本から得た知識や理解が一層深まることでしょう。
最後に、これらの本は歴史の勉強としてだけでなく、一冊の小説や漫画としても楽しめます。物語性のあるストーリーテリングと絶妙な描写によって、上海の歴史が鮮やかに描き出されています。これからも読書を通じて、世界のさまざまな地域とその歴史を知る機会を提供していきたいと思います。何卒、引き続き読書の旅をお楽しみいただけますと幸いです。
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