國安愛子の『ヒト・ひと・人: -人間とは何かー』は、人間の本質や社会的存在としてのあり方を多角的に探求した一冊である。著者は、「ヒト」としての生物学的側面、「ひと」としての日常的・社会的側面、「人」としての精神的・倫理的側面をそれぞれに考察し、人間理解の奥行きを示している。読者は、人間を単なる個体としてではなく、文化・社会・精神の複合的存在として捉える視点を得られ、自己理解や他者理解を深める知的刺激に富む内容である。
私たちは、日々の忙しさを言い訳に、思考することを忘れていないだろうか……?
何気ない日常の中から、生物としての“ヒト”を観察し、人間的存在としての“人”の生き様を考える、〈哲学的なひと時〉から生まれた珠玉のエッセイ集。時には美術家を、時には映画の登場人物を、時には古代の人々を題材に、平易な文章で、著者の思う「普遍的な人間像」を作り上げる。
人間が「人間」について考える、そんなひと時の重要性を再認識させられる一冊。
【著者プロフィール】
國安 愛子(くにやす・あいこ)
1957年広島大学卒業。1963年より福山女子短期大学に勤務。1972年、同教授。1981年より広島大学教授。音楽史・音楽教育・音楽心理学等の研究に携わる。主な著書は「事典形式 音楽概論」(音楽之友社)「リズム教育」(北大路書房)、「音楽教育学の展望1」「音楽教育学の展望2」「音楽教育学研究」(以上は日本音楽教育学会各10・20・30周年記念出版 音楽之友社)「子どもと音楽」(同朋社)他。主な論文は「The Sonorous World as Energy and Movement」「ルネサンス音楽に関する社会文化史的考察」「ルネサンス音楽に関する音楽社会学的研究」「ルネサンス音楽に関する近代性の出現」(以上、「音楽学」)他。現在は広島大学名誉教授。
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