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精神科医の春日武彦氏による「顔」の考察が実に興味深く、お気に入りの本。
「顔」が持つ不気味さ、捉えどころのなさから始まり、分析論・認識論・価値論を経て顔をめぐる奇想と悪趣味について綴られている。
難しいようにも思われるだろうが、実際は何度読んでも面白い。写真や画像、そして人気漫画のコマなどが多用されている。
たとえばステレオタイプな「狂気の顔」は解説に漫画のコマが使われており、「刃物系」「高笑い系」「手踊り系」「眼球上転系」「思考停止系」「ヨダレ系」などに分類されている。映画や小説の話も多く、イメージもわきやすい。人面瘡も登場する。もちろん精神科医ならではの話も多い。万人受けするかは何とも言えないが、つい繰り返し読んでしまう1冊。