迫力のあるタイトルとほんわかした雰囲気のイラストに惹かれました。
本のはじめには、登場人物たちのイラストや、彼らが残したであろうセリフがぎっしり!
これからはじまる物語に期待せずにはいられません。
主人公は小劇団「シアターフラッグ」の主宰・春川巧。
性格は、自由奔放で夢見がちなところがあります。
小劇団の資金繰りがうまくいかず、その負債額は300万円!!
堅実に働く兄に泣きついて300万円を肩代わりしてもらいますが、一難去って、また一難……
兄がこの返済にくれた時間は、たったの2年だったのです。
一筋の希望の光はただの幻になってしまうのか。それとも奇跡を起こすのか。
ハラハラとした気持ちが湧き上がります。
「シアターフラッグ」の団員たちは、一風変わった性格の持ち主ばかり。
彼らは自然に絡み合い、パズルのピースのように誰もがなくてはならない存在へとなっていきます。
この作品の見どころは、もちろん小劇団の行く末ですが、彼らのセリフもまた魅力のひとつ。
読者の心をくすぐってくるセリフばかりで、
その言葉が生まれた経緯(彼らの過去)を考えると、より心が満たされるようでした。
果たして小劇団は経営状態を立て直すことができるのか?
最後まで気が抜けない作品です。ぜひ一度ご覧ください。