京極夏彦さんの作品の中でも特に人気と思われる"百鬼夜行シリーズ"。
これは2023年9月、17年ぶりに登場した新作長編です。…17年ぶり!
17年以上前からファンだった私としては色々語りたいところではありますが割愛します。
ミステリー小説でありながら民俗学や論理学などの蘊蓄がみっしり詰まっているといった特徴は健在。
本作は複数の場所で事件の捜査などが進行する、モジュラー型とも言えそうな構造です。
それぞれの話が少しずつ繋がっていくところが読みごたえのあるポイント。
主要人物たちも相変わらずという感じで、個人的には旧友に会えたような気分でした。
ちなみに、今までのシリーズ作品は読んだことがあっても内容を覚えていない、という方でも大丈夫。
たまに「先日こういう事件に巻き込まれて~」などの台詞はありますが、
内容への言及はありませんし、覚えていなければ話がわからなくなるということもありません。
主要人物を少々忘れていても問題なく読めると思います。
今まで全くシリーズ作品を読んでおらず、主要人物を誰も知らないという方でも恐らくは大丈夫です。
ただ、やはりシリーズの順序通りに読んだ方が面白いと思うので、
1作目の『姑獲鳥の夏』からチャレンジしてみることをおすすめします。