体が石化する謎の伝染病が蔓延し人類は滅びに瀕した。
冷凍睡眠から目覚めたヒロイン・しずくの目に映ったのは蔦が生い茂り一変した世界。
一体自分が寝ている間に何が起きたのか?
世界はどうなったのか?
大切な人は無事なのか?
古城に監禁された面々はチームを組んで脱出を目指すのだが……
異形の怪物。蔦。ゴシックな古城。
生き残った人々はそれぞれ異なる意見や価値観をもち対立、反目する。
母性的な女性、無邪気な子供、権威主義の傲慢な老人に知的な学者肌……人種も性格もばらけた面々が数多の障害を突破して脱出を目指そうというのだから一筋縄でいくはずない。外側から襲いくる脅威にも増して内側に潜む狂気が伝染し、裏切り者はだれかと疑惑が渦巻く様は息苦しい程。
絵も凄く魅力的。
特に女性の造形がフェティッシュかつコケティッシュ。
岩原さんの絵は女の子の丸みを帯びた体にそこはかとないエロスを感じさせる。
けっして過剰な露出ではないが、しずくが慄く表情や不安に怯える表情にはグッと訴えて掛けてくるものがある。
しずくと謎の男・マルコのじれったく初々しい関係にも注目。
粗暴なマルコを警戒していたしずくが、彼の叱咤を受けて次第に心を開いていく姿が本当に可愛くて萌える……!
人間関係の深まりや変化を丁寧に描写しながら、一方で容赦ない殺戮や恐怖を描くからこそ否応なく緊迫感が高まる。是非とも一気読みしてほしい作品。











