絵が好みだったのと、タイトルに興味を惹かれてレジに行きました。
読んでみると、人間の国と獣の国がある世界のお話。
人間の国から獣の国へ生贄として連れて来られたサリフィは、両親から生贄として育てられてきたため、生きることにものすごく消極的です。
側近のアヌビスすら恐れる獣の王も一切怖がりません。むしろ肉球を触って、喜びます。
単に肝が据わっている性格なのか、それとも怖がる必要のないほど生きる気力がないのか、儚げな印象の少女です。
そんなサリフィがやって来た国は、サリフィ以外全員獣です。いろんな種類の獣がいて、獣好きにはたまらない世界観でしょう。
そして、多くの獣たちは人間であるサリフィをあまり好ましく思っていません。そんな状況下でも、割と自由に行動するサリフィの姿に、すごい…と思ってしまうこと間違いなしです。
サリフィの監視を兼ねるキュプとロプスというキャラクターは癒しになります。可愛いです。
そんなサリフィも生贄として連れて来られたからには、王に食べられるという生贄の義務があります。
食べられる日を迎えたサリフィでしたが、なんとそこで誰も知らない王の「秘密」を知ってしまうのでした。
生贄として死ぬはずだった少女・サリフィと他を寄せつけない獣の王との可愛い恋模様を楽しむだけではなく、違う種族も尊重しつつ「自分らしさ」を貫くサリフィの強さも実感できる作品です。