ありがとう
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家族や友人との何気ない日常の中にある、どうしようもない感情や温度差に何度も胸をつかまれました。田中さんという存在を通して、近くにいる人ほど上手く想いを伝えられなかったり、すれ違ったりすることの苦しさを思い出させられます。淡々としているのに心にじんわり染みてくる場面が多く、読み終えたあともしばらく余韻が残りました。優しさと寂しさが同居するような、不器用な人間関係にそっと寄り添ってくれるような物語でした。