ありがとう
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久しぶりの辻村作品。中盤までずっとつらくて苦しくて何度も読むのやめようとしたけれど、最後まで諦めなくて本当によかった。他人に点数をつけて見下す人には絶対にならないと思っていたのに、優柔不断で主体性のない彼女の言動に苛々している自分に気づいて思わず背筋が凍った。彼女を勝手にラベリングして切り捨てた私こそ傲慢。それでも、不器用に相手と向き合いながらすこしずつ自分自身を省みて前に進む彼らの素直さに勇気をもらえた。他人の評価に翻弄される現代だからこそ、私も他愛ないありふれた日常を慈しむことのできる人になりYz