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「喪失」をテーマにした短編集。
特に最後の一編『星の隨に』は、読んでいて何度も胸を締め付けられました。
まだ小学生という、一番甘えたい盛りの時期に母親と引き離された主人公。継母からは、はっきりとした虐待を受けているわけではありません。けれど、毎日夕方5時まで家を閉め出されるという、静かな、けれど残酷な孤独の中にいます。父親にも本音が言えず、気を遣って過ごす日々——。
そんな過酷な状況にあっても、幼い弟を愛おしく思い、何があっても人のせいにしない。そして、心の底から「みんな大好きだ」と言える……。そのあまりの優しさと健気さに、たまらなく胸を打たれました。
世の中は理不尽なことばかりです。けれど、これほどまでに深い慈愛を持つこの子なら、きっとどんな荒波も越えていける。そう信じさせてくれる強さがありました。
どうか、この子の未来にたくさんの光が降り注ぎますように。切なさと同時に、大切な人を守り抜く強さを教えてくれる一冊でした。















