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日本昔話の“なぜ”を紡ぐ3話入り絵本。「おそばのくきはなぜあかい」など、民話の由来を描きながら、忠誠・勇気・自然との関わりをユーモラスに伝える。そばとむぎが穀物の神から頼まれ川を渡る場面では、困難を選び取るそばの姿の美しさが胸に残る。文章は簡潔ながら豊かなリズム感があり、色彩と線の調和を重んじる初山滋の絵が物語の幻想性を引き立てる。読むたびに民話の奥深さに触れられ、小さな子どもにも“ものが違う世界”が届く古典の一冊。