結論から申しますと青年×幼女好きは迷わずに買え。
特に「ある一点を除いて社会不適合者な青年と無表情な幼女の組み合わせ」が好きな方はそれだけで買って損なしと自信を持って断言できます。
バッドエンドしか書けない小説家と天使のリュックサックを背負った幼女の出会いから始まるサスペンスストーリー。一巻時点では物語の全体像が見えて来ず謎ばかり。ですが掴みと引きは相変わらず物凄くあります。
「魔王」から引き続き踏襲されている見開きを使った派手な演出も健在。
人物の顔アップ→引く→全体を映すというカメラ的視線で衝撃を盛り上げる。
主人公・佐藤がピンチを切り抜ける為の武器とするのは小説家ならではの発想力(というか妄想力)。
バッドエンドしか書けないという己のコンプレックスを逆手にとり、「どうすれば相手を不幸にできるか」と頭脳をフル回転させる。見開き2ページを使ってその思考が小説風に記述されるのも実験的で面白い試み。
ただ、キャラがやたらと「最悪だ 最悪だ 最悪だ」と繰り返す所、基本ハッタリと詐術頼みで逆境を打破していく展開など、「魔王」からずっと引き継がれるデジャビュを感じますね……。
この作者さんの売りといえば売りなのでしょうが、初のオリジナル連載作品でも伊坂幸太郎ベースな世界観ではあるので、そこが好みが分かれる所かもしれません。
ヒロイン(?)のえりは文句なく可愛いです。
著者いわく子育て漫画らしいですが、根暗で不器用でひねくれものの青年とワケあり幼女の疑似家族ものとしても凄く上質な仕上がりになりそうで期待してます。











