『タルド社会学への招待(4) 模倣・犯罪・メディア』は、池田祥英による社会学入門書で、タルドの模倣理論を現代社会の犯罪やメディア現象に応用して解説しています。理論的でありながら具体例も豊富で理解しやすく、個人行動が社会に与える影響や、情報・流行の伝播の仕組みを考察するきっかけになります。社会学的視点を深めたい読者に示唆に富む一冊でした。
社会学者としてのタルド像を、基礎理論から応用研究、それらの学説史的位置づけという流れで描き出す。
まず、タルドが中心概念として据えた「模倣」という概念とタルド自身の伝記的な情報について検討し、
ついで社会学理論としての模倣論や、社会学の枠組みからは外れるものの
彼の思想において重要な位置を占めているネオ・モナドロジーや心間心理学の理論的側面を検討。
さらにこれらの理論の応用分野として犯罪論、メディア論を取り上げる。
最後に、タルド社会学の学説史的考察として、デュルケムとの論争、
タルド社会学の受容について検討を加える。
第1章 問題の所在ー模倣とタルド
1 「模倣」とは何か?
2 タルドをもう一度読む意味
3 ガブリエル・タルドの生涯
第2章 模倣の社会学理論
1 模倣を科学する
2 模倣、発明、対立
3 模倣の法則
4 まとめ
第3章 社会学理論を超えてーネオ・モナドロジーと心間心理学
1 ネオ・モナドロジー
2 心間心理学の構想
3 まとめ
第4章 模倣と犯罪
1 古典派刑法学派と実証主義学派の対立を超えて
2 実証主義学派に対する批判
3 犯罪における模倣の法則
4 新しい責任論へー個人的同一性と社会的類似性
5 まとめ
第5章 マス・メディアと公衆
1 19世紀末のフランスにおける大衆新聞
2 群集心理学の所論
3 公衆と世論
4 まとめ
第6章 デュルケムとの論争
1 社会変動はどのようにして起こるか?-『社会分業論』
2 個人が先か社会が先か?-『社会学的方法の基準』
3 模倣自殺は自殺率に影響するか?-『自殺論』
4 まとめ
第7章 タルド社会学の受容と影響
1 忘れられた社会学者タルド
2 タルド理論の受容
3 現代におけるタルド
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