『基礎から学ぶ、ハンセン病問題 教訓を“希望ある未来”に生かすために』内田博文著は、ハンセン病の歴史や社会的偏見、患者の人権問題を丁寧に解説しつつ、過去の教訓を未来に活かす視点を提示する一冊です。著者は、医療・社会・法制度の観点からハンセン病問題を整理し、差別や偏見の根源を理解する重要性を強調しています。読後は、歴史の悲劇を学ぶことで現代社会における共生や人権尊重の意味を深く考えられ、希望ある未来を築くために必要な意識を啓発される内容でした。
2024年7月3日、最高裁大法廷が、旧優生保護法に基づいて実施された強制不妊手術に関する国家賠償請求訴訟の5件の上告審において、旧優生保護法による被害について、除斥期間の適用を制限するとの統一的判断を示し、国に対して被害者への損害賠償の支払いを命じた。これまで、旧優生保護法国賠訴訟に関しては、全国各地の地方裁判所及び高等裁判所において、除斥期間の適用の有無について判断が分かれてきたが、本判決によって、除斥期間の適用が制限され、国は被害者である原告らに対して賠償金の支払義務を負うことが明確になった。この判決が出たことで、「ハンセン病に関する諸問題について一定の解決がされた」という声が存在する。
しかし、ハンセン病問題を生み出した原因を探り、自分事として考えなければ、第二、第三のハンセン病問題が発生する可能性ある。我々は、ハンセン病問題を見つめ、その教訓を確かなものとするために風化させてはならない。
本書は、我が国におけるハンセン病問題の歴史を紐解き、どのようにハンセン病問題が生み出されたのかを一般的・網羅的に記述し、ハンセン病問題の根底に存在する核を炙り出していく。
はしがき
第1部戦前・戦中のハンセン病問題の歴史
第2部戦後のハンセン病問題の歴史
第3部3つの差別事象から考える差別と偏見の所在
第4部ハンセン病問題をめぐる一連の裁判
第5部ハンセン病問題の今ーー未来につなぐ
参考文献一覧
近現代日本ハンセン病関係年表
写真提供
著者略歴
新着の本 すべて見る
30日間で人気のまとめ記事 すべて見る
小説のまとめ記事 すべて見る
おすすめのまとめ記事 すべて見る
漫画のまとめ記事 すべて見る
趣味のまとめ記事 すべて見る













