『チェンソーマン』第1巻は、貧困と絶望の中で悪魔ハンターとして生きるデンジの過酷な日常と、チェンソーの悪魔ポチタとの絆が描かれる衝撃的な導入巻です。グロテスクな描写とユーモア、アクションが絶妙に融合し、読者を強烈に引き込みます。また、デンジの純粋でどこか人間味のある性格や、仲間との出会いが物語に温かさを与え、ただのバトル漫画ではない深みを感じさせます。展開の予測不能さと世界観の独自性が際立つ、強烈な印象を残す一冊です。
前作がSNSでバズった作者の二作目。
どうでもいいが「ファイアパンチ」といい「チェンソーマン」といい、英語の使い方がちょっと面白い。ファイヤーとチェーンソーじゃないんだ……尖ってるな。
シリアス一辺倒でちょっと息苦しかったファイアパンチと比べ、随所にちりばめられたとぼけたギャグやコミカルな掛け合いなど、少年漫画用にチェーンナップされてぐっと取っ付きやすくなった。
パワー(角っ娘のじゃ魔人)やアキ(黒髪クールイケメン復讐者な先輩)など、キャラクターも魅力的だし、アンダーグラウンドなバディものとしても楽しめる。
セリフ回しのセンスも良し。過激な展開もあるのだが、主人公デンジが良くも悪くもゲスであり、スケベな下心全開で行動するのと、キャラクターに明るさがあるため、深刻になりすぎずにすむ。
ゲスであるがそこまでクズではないので、文句言いながらも男は救うし(結果的に)読者がまったく応援共感できない嫌なヤツにされてないのも好感触。ポチ太への友情は厚いし、結構仲間想いだし。
悪魔のユニークな造形も秀逸。後にでてくる永遠や呪いの悪魔など、ああなるほど、だからそういうビジュアルなのね!とオリジナリティに富む発想力に完敗。クリーチャー好きはならフェチ心をくすぐられること間違いなしな上、戦闘時は主人公が異形頭(チェーンソー)に変身するので、そっち方面に燃える&萌える方にもぜひおすすめしたい。
ほどほどにドライなタッチながらちゃんと笑いどころを押さえ、湿っぽくなりすぎないエピソードで、キャラクターの内面を掘り下げていく手法も好き。デンジも十分悲惨な境遇なのだが、そこから来るお手軽な幸福度が、作品全体をポップに仕上げている。
個人的にドロヘドロが好きな人は波長が合いそうだと思った。
これからが楽しみな漫画。












