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主人公のかず子は、生まれや育ちという「過去の名誉」を捨て、自分なりに生きようともがく、その姿に、自分のなかの“常識や世間の価値”に対する問い直しを強く感じました。 
同時に、弟や母といった身近な人々の敗北や絶望、あるいは家族という絆の崩壊にも胸が痛み、“滅び”の中で揺れる人間の弱さや悲しさが、生々しく胸に残りました。 
読後、「昔の名誉」や「常識」「安心」など一見守るべきものが、実は自分を縛っていたのかもしれない、そんな、自分の生き方や価値観を見つめ直すきっかけにもなる作品だと感じました。













