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『汝、星のごとく』の続編的なスピンオフ作品。
前作は、島の高校に転校して暁海(アキミ)と出会ってから漫画家デビューし亡くなるまで櫂(カイ)の生涯が時間軸だった。一方、『星を編む』は櫂と暁海に関わる主要登場人物の物語。
島の高校に来る前の北原先生、時が経ち打ち切られた漫画の復刻を通して描かれる櫂の担当編集者の当時の心境とその後など。
『汝、星のごとく』の終盤で、作画担当の相棒を失った櫂に小説を書くよう勧める女性編集者の存在が、『星を編む』のストーリー展開にいい感じに繋がっていると思った。
暁海と北原先生を中心に、櫂が亡くなった後の時間を、要所要所を切り取るようなストーリー展開で描き、高校生だった暁海が60歳近くになる。
登場人物のほとんどがそれなりに仕事で成功するのは大団円にするためのご都合主義な感もあるけれど、読後感はいい。