「村上さんちの朝ごはん」を読んで、まず心を奪われたのは、その温かい雰囲気でした。
村上祥子さんの飾らない言葉で綴られた日々の食卓は、まるで隣の家に住むお母さんの手料理を覗いているようです。
本書には、定番の朝ごはんからちょっとしたアレンジレシピまで、さまざまなメニューが登場します。
しかし、単なるレシピ本ではなく、それぞれの料理に込められた村上さんの想いや、家族との思い出が綴られているのが魅力的です。
例えば、忙しい朝にぴったりの「卵かけご飯」には、村上さんならではのこだわりがあります。
卵の選び方や醤油の配合など、ちょっとした工夫でいつもの味が格段に美味しくなることを教えてくれる。
また、「おにぎり」の章では、村上さんの子どもたちへの愛情が垣間見えます。運動会のお弁当に作ったおにぎりのエピソードは、読んでいるこちらまで温かい気持ちになります。
本書を読み終えて、私も日々の朝ごはんを大切にしたいと思いました。
手料理には、作る人の想いが詰まっています。
それは、家族の絆を深めるだけでなく、自分自身の心も満たしてくれるものです。
「村上さんちの朝ごはん」は、料理の楽しさだけでなく、家族の温かさ、そして日々の暮らしを大切にする心を教えてくれる一冊です。
ぜひ、手に取ってみてください。