「立地」「資源」「貿易」「人口」「文化」という5つの切り口で構成された章立てです。たとえば、資源の豊かな国はその優位性を活かして経済戦略を立て、逆に資源の乏しい国は輸入や外交に知恵を絞る。この構図は、日本の生存戦略にも直結しており、地理が単なる地図の話ではなく、国家の選択そのものを左右する要因だと気づかされました。
また、「人口」の章では、少子高齢化や都市集中がもたらす経済的インパクトを、地理的配置とともに分析しており、未来予測の精度を高める視点として非常に有益でした。文化の章では、衣食住の地域性が経済活動にどう影響するかを掘り下げており、グローバル化の中で見落とされがちな“ローカルの力”を再認識することができました。
本書は、統計データのアップデートや新たな論点の加筆により、より実践的でリアルな視点を提供してくれます。地理を学ぶことは、世界を理解すること。そしてそれは、経済を読み解く力にもつながるのだと、読後に強く感じました。











