『くらげ色の蜜月』の読書感想文をご紹介します。
本書は、戸川昌子さんの魅惑的な世界観に引き込まれる一冊でした。
日下三蔵さんの解説とSRBGENkさんの装丁も相まって、より一層作品の深みが感じられます。
独特の透明感と、どこか不穏な雰囲気が混じり合う「くらげ色」という表現が、物語全体を象徴しているように思います。
愛と狂気、美しさと残酷さが織りなす人間模様は、まさにミステリーの女王と称される戸川さんならではです。
読後も心に残る、背筋がゾッとするような余韻がたまりませんでした。
人間の内面にある複雑な感情が、繊細かつ大胆に描かれており、読み応えのある作品でした。