西国一のスパイと謳われ、どんな任務も完璧にこなす謀報員、黄昏。
幼少から殺人術を叩き込まれ、汚れ仕事を請け負い続けてきた殺し屋、ヨル。
人の考えていることが分かるという超能力をもつ、アーニャ。
この3人が黄昏の任務のために、家族になるというとても斬新なストーリーです。
最初、スパイと殺し屋と超能力者という帯書きを見て「怖い話なのかな」と思いましたが、実際読んでみるとクスッと笑える部分や心温まる部分が多く読みやすかったです。
黄昏もヨルも超一流な仕事とは裏腹に、家族のこととなると不慣れになるギャップがいい!
3人のシーンはやはり何処かぎこちなく見えますが、アーニャのこととなると必死になる黄昏とヨルは本当の親のように感じます。
アーニャが能力を使うために予想外の発言をして、それに動揺する黄昏の思考回路を読んで、立て直そうとする流れがとてもテンポ良く、面白かったです。
人の心を読めるという超能力を持っているにも関わらず、アニメが好きだったり黄昏の考えに一喜一憂するアーニャがとても可愛らしく、癒されました。
それぞれが秘密を持っていて、本当の自分を見せない偽物の家族のはずなのに、それぞれが想い合っていてひとつの家族の形になってゆくところも素敵でした。
これから、この特殊な形で始まった家族がどうなっていくのか。
任務は達成できるのか。
アーニャの過去には一体何があったのか。
続きを早く読みたいと思う作品でした!