著者が日本の新卒一括採用の良さと改善すべき点をヨーロッパ(特にフランス)の就職事情と比較しながら論じる。
一年しかチャンスがない、みんな一斉はおかしい、何かと批判されがちな新卒採用、しかしヨーロッパの若者は大学を出てもインターンシップをし続けてスキルをつけないと就職できないそうで、それで一斉に就職できないのだ。
良さにも気づける1冊だった。
新卒一括採用は悪なのか? この一冊ですべてが分かる。
「お祈りメール」という言葉をご存知ですか?
就職活動生に対して、企業が不採用を告げるときのメールの末尾に、「今後のご活躍を“お祈り”しております」と慇懃な定型文を付けることから付いた、不採用通知の“愛称”です。まじめな就活生なら何百回も“お祈り”されてしまい、人格を傷つけられたと思ってしまう学生も。
そもそも、「新卒一括採用」というのは世界では珍しい形態です。なぜこの仕組みは成立したのか? 企業はなぜ日本型雇用に拘るのか? 欧米のようにサービス残業の無いジョブ型社会にすれば良いんじゃないか?--色々な声が聞こえます。果たして問題の核心とはなんなのでしょうか? 本書では、歴史・データ・海外比較を駆使して、多角的に「採用問題」を解き明かします。
1歴史的に見て、青田買い&学業疎外防止のルールは守られてきたか?
→No! 戦後からいたちごっこ。ルールメイカーは「就活ナビ解禁日調整」だ!
2日本型雇用ーー新卒一括採用、終身雇用、年功序列は悪か?
→No! やめられない止まらない「ゆで蛙型日本型雇用」の実態に迫る
3新卒一括採用が嫌なら、欧米型をそのままマネすればいいのか?
→No! 欧州の若年失業率が高い。同じ仕事を同じ給料で一生。学歴による差別。
4日本のメンバーシップ型雇用と、欧米型のジョブ型雇用のイイトコ取りとは?
→有名校有利を打開するには「GPA」を導入せよ!
著者はドラマ「エンゼルバンク」(ドラゴン桜外伝、三田紀房原作)に登場する「雇用のカリスマ・海老沢康生」のモデル、海老原嗣生氏。本作は新卒採用に焦点を絞って分析し、ラストには大学改革まで視野を広げた決定版! 豊富な図版と平易な語り口で、難しいテーマが、この一冊でマル分かりです。
濱口桂一郎氏 推薦!(労働政策研究・研修機構労使関係部門統括研究員)
「『ジョブ型』と『メンバーシップ型』という対比で雇用を語る際に、前者についてはややもすれば通り一遍な紙の上の説明で済ませてしまっているきらいがありますが、その『ジョブ型』ってのは、実は(日本人が頭の先っぽで考えるような生やさしいものじゃなくって)こういうものなんだ、と実例満載で解説し尽くそうとしている」
著者が日本の新卒一括採用の良さと改善すべき点をヨーロッパ(特にフランス)の就職事情と比較しながら論じる。
一年しかチャンスがない、みんな一斉はおかしい、何かと批判されがちな新卒採用、しかしヨーロッパの若者は大学を出てもインターンシップをし続けてスキルをつけないと就職できないそうで、それで一斉に就職できないのだ。
良さにも気づける1冊だった。