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『ババヤガの夜』は、暴力と女性同士の絆を軸にした、異色のハードボイルド小説だと感じました。 
暴力を唯一の趣味とする依子が、極道の娘・尚子の護衛として裏社会に踏み込んでいく姿は、ときに爽快で、ときに痛々しく胸に刺さります。 
友情とも恋ともつかない感情と、「生き延びる」ための暴力がせめぎ合い、二人の中にある切実な孤独と渇きが、静かに浮かび上がってくるようでした。 
血なまぐさい物語なのに、固定観念を壊して自由に生きる力をくれる一冊で、読後もしばらく、依子たちの夜の気配が心から離れませんでした。















