ロベルタランボー編は現時点における最長エピソードなのでどういう決着をつけるか期待してたんですが正直最新刊を読んでがっかりしました。
不満な点はやはり一番数多く人を殺し一番報いを受けるべき人間が無傷で生き残ってしまった事、ファビオラの恩人に対する説教です。
子供特有のまっすぐさ青臭さ、一途な正義感をもつファビオラなら、ロックが「賭け」と称する狡猾な手段に反発を抱く気持ちも想像できるのですがやはり言っちゃだめでしょう……自分たちの方から頼って巻き込んでおきながら「結果は望んだどおりだけど手段とそこに至るあんたの態度が気に食わない」ってキレたわけで、これは感心できない。偽善者です。
ロベルタはロベルタで薬に依存してぼろぼろな描写があったのにその伏線が全く生かされてなくてあれ?って肩透かしです。
生きて罪を償う事こそ重要といってもあれじゃ南米に帰って平和に暮らしてるようにしか見えない……
ガルシアは「暴力に暴力で報いるから戦争はなくならない」んだと少佐にむかい悪の論理を展開してましたが、いかにロアナプラで過酷な現場を見たとはいえ、坊ちゃん育ちの子供がいきなりそんな高尚な言葉と哲学語りだしても全然説得力ないし共感しようがない……そもそも彼は手を汚してないですしね。
ロックの悪覚醒や姉御の独白など魅力的なカットが多々あっただけにストーリーの中だるみが残念。途中まではすごくよかったのに……ロベルタが正気に戻るきっかけも安直すぎる。ガルシアに恋愛感情抱いてたっけ?家族のように思ってたんじゃないの?と唐突すぎてぽかんとしました。
贅肉をそぎ落として二巻位でまとめたほうがカタルシスが残ったんじゃないかと思います。












