アニメ化が決定した、薬屋のひとりごとのコミカライズの一つです(薬屋のひとりごとのコミカライズ作品は二つ刊行されています)。こちらは絵柄がシャープですが漫画作品として読みやすいです。少女漫画感はあまりしませんが、そこが魅力なのです。壬氏も格好良く描かれていますし、猫猫も可愛く描かれています。
薬師として花街で暮らしていた猫猫は、薬草を取りに行った先で人身売買に攫われ、後宮の下女にされてしまいます。
持ち前の知識を隠し、下女の一人として働く猫猫でしたが、ある日自身の子が病に苦しんでいる妃たちの喧嘩を目撃。
帝の寵愛を受ける上級妃の1人である賢妃・梨花の顔色の悪さを見た猫猫は、すぐに梨花と子どもたちの体調不良の原因を察します。
私たちが、身近にあるものや普段何気なく使っているものが、毒にも薬にもなり得る事を教えてくれるのが、非常に読んでいてためになります。
面倒くさい事に巻き込まれないように行動し、物事を達観しているように見えて、実はお人好しの猫猫の推理に夢中で聞き入ってしまう事でしょう。
後宮という妃たちが暮らす、華やかな場所も注目の一つです。
豪華で美しい見た目とは裏腹に計画される謀略・策略から、自分を守れるのは自分次第なのだ、と女の強さを垣間見ることが出来ます。
美しく強い、妃たちの生きざまも必見です。
また、中華ファンタジーの世界を堪能できるだけではなく、時代に応じた組織の制度なども楽しめます。
女の園である後宮に出入り出来るのは、男を象徴する部分を取り除かれた宦官のみ。
その中で、後宮を取り仕切るのは、絶世の美貌を持つ宦官・壬氏です。
誰もが惹かれるその美貌に対して、毛ほどの興味も覚えない猫猫に壬氏は興味を惹かれ、事あるごとに猫猫にちょっかいを出すようになります。
薬師としての本領発揮をする猫猫の謎解きと壬氏との仲を、一緒に覗いてみませんか?