近代建築をこよなく愛する人気作家の万城目さんと門井さんが、それぞれのお薦め名建築を訪ね歩きながら語り合う、対談形式の作品です。
散歩する地域は、大阪、京都、神戸、横浜、東京、そして台湾。
門井さんが色んな知識を披露してくれたり、万城目さんがユニークな視点で突っ込みを入れたり。
近代建築にあまり関心もなければ、訪れた経験もそれほどない私ですが、そんな状態でも楽しく読むことができました。
建築様式などの話は平易でわかりやすく、建築家の話は親しみやすさや面白さを感じさせてくれます。
各所の写真はいくつか載っているものの、実物を確かめてほしいという思いから、敢えて小さめかつ少なめにしているとのこと。
狙い通り、まんまとあちこち探訪してみたくなってしまいました。
建築というのは老朽化するので、補修する必要性もお金もなくなったら消えていくしかない、という言葉がありました。
訪れるなら早い方がいいと注意を促されている建築もあります。
この本を読んだ後は、きっと一つでも多くの建築がなるべく長く残ってほしいという気持ちを持つようになることでしょう。
地図もしっかりと付いているので、旅行の時のお供としてもピッタリの本になりそうです。