ありがとう
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歪な家族をテーマにした短編集で、物語がうっすらと繋がっている構成が面白かったです。
初っ端の「ネオンテトラ」が強烈すぎて、思わず途中で休憩が必要でした(笑)。その後の「魔王の帰還」では、ユーモアに笑いながら楽しみ、そしてまた「ピクニック」で心を掴まれる。読み始めると吸い込まれるように夢中になれますが、読み始めるまでにけっこうな覚悟がいる作品でした。
最後の「式日」まで読み終えると、また最初の「ネオンテトラ」を読み返したくなる、という不思議な魅力があります。
すごい構成力だと感服しました。ぞわっとしたり、ほっこりしたり、まるで「一粒で二度美味しいキャラメル」のような作品です。家族というテーマの深淵を覗き見たい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。


















