少し疲れた女性が旅に出る。そして、旅先での出逢いに新しい自分を見つける。
4話からなる短編集それぞれの旅に、ほろりとする。
印象的な場面や言葉がたくさんある。
1話目(さいはての彼女)
秘書の手違いか故意かで、沖縄に行くはずが真逆の北海道に行くことになる。
そこから、おもしろい旅になる。強気な女性経営者とハーレー乗りの女性との出逢いがとても良い。
2話目(旅をあきらめた友と、その母への手紙)
1人の旅だけど、1人じゃない。
3話目(冬空のクレーン)
どんな大それたことでも、誰かがそう考えるところから始まるんじゃないかな。
4話目(風を止めないで)
ナギ、自分で引いた「線」を超えていけ。
この風、止めないでね、これからも、ずっと。
全編通して、肩書を外して、ひとりの人間として、いかに良い生き方をしていくかを投げかけている。
こんな良い小説を読んだら、旅に出たくなるね!