第7回リブロ絵本大賞を受賞した『いちばん しあわせな おくりもの』、その続編である『きみに ありがとうの おくりもの』から続くシリーズ第3作目になります。
今回は前2作と違い、こりすとくまくんが中心の物語ではなく、様々な動物が出てくる群像劇として世界の広がりを感じられる一冊になっていました。
見返しの部分から既に物語が始まっており、絵本全体としての構成としても考えられていました。
1作目から変わらない優しい絵のタッチも魅力的です。
会いたい対象が遠くにいて、中々会えずに落ち込むことがあっても、会いたい気持ちを持てる対象がいることで幸せを感じられる。
そして、その気持ちを持って動きだすことで、実際に会う事にもつながる。
シリーズを通して描かれている「誰かを思う事の幸せ」が今回も描かれていました。
親子で読みながら、お互いに会いたい人について話したり、本に出てくる動物たちの気持ちを考えることで、他者を思いやる気持ちが自然と育まれていくと思います。
それぞれ無事に会えるのか、それは最後のページのわたりどりの絵が暗示しています。