小次郎VSポセイドンは名勝負だった。
徹頭徹尾孤高で在り続けた海神から辛くも勝利をもぎとったのが、生涯負け続けてきたが故に相手の技のすべてを会得した小次郎というのが激熱で感慨深い。
話はそれるのだが、何故小次郎は老人に描かれているのか。
その理由は死後も向上心をなくさず、強者に勝利するための修行を続けたからではないだろうか?
神々は良くも悪くも他に脅かされることない最強の存在であり、故に停滞の安寧をむさぼっている。
対して小次郎はおのれの伸びしろを信じ、ストイックに技を磨いて成長し続けた。
だからこそ数百年を経て闘技場に現れた彼は、白髪の老人になっていたのではないか……と妄想。
倒れる小次郎を支えたり、生き残った戦乙女との絆にもきゅんとした。
それはそうとブリュンヒルデの顔芸は巻を増すごとにひどくなってる……ヘラクレスを罠に嵌めるシーンなど、もはや悪役としか思えない崩れぶり。
なぜ英雄でもなんでもない切り裂きジャックが錚々たるメンバーに名を連ねてるか疑問だったのだが、ブリュンヒルデの言を借りれば、「人類70万年の悪意の集大成」ということだろうか?唯一神を出し抜ける人類の財産が「悪意」というシニカルな視点は嫌いじゃない。
切り裂きジャックも非常にダンディで腹黒いイケオジ紳士に描かれており、今後のトリッキーな活躍が楽しみ(見た目と言動は新宿のアーチャーで中身はジャック……)皺も少ないし、髭を剃ったら案外若いのではなかろうか。
だが少し懸念も。
この漫画の特徴として、人類や神を貶める逸話や史実に対し「だがそれは間違い!真実はこうなのだ!」とどんでん返しをやらかしてキャラクターを上げるのだが、切り裂きジャックが実は冤罪だった!ってしょぼいオチは勘弁してほしい……興ざめもいいところ。
ついに決着。二刀流を扱い、さらに、今まで戦ってきた全ての剣士の思いと技術を受け継いだ小次郎の刃により、ポセイドンを倒すことに成功。人類が神を倒すという大どんでん返しを果たす!
そして、始まる第四戦!神側はギリシャ神話のヘラクレス!果たして人類は?


















