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種村完司『『葉隠』の研究 ― 思想の分析、評価と批判』は、江戸時代の武士道思想書『葉隠』を学術的に分析した研究書。武士の覚悟、忠義、倫理観などの核心テーマを多角的に検討し、思想史的背景や社会的文脈と結びつけながら評価・批判している。単なる解説に留まらず、武士道思想の本質や現代的意義を深く理解するための示唆に富む一冊だった。
武士道の名著といわれる『葉隠』は、戦国武士の精神をもちつつ徳川太平の世を生きぬかざるをえなかった、側奉公侍の苦悩と悲哀を表現した歴史的文書であった。本書は、『葉隠』の著者山本常朝が、新しく再設定された人生目的のもとで、時代に即応した武士道と奉公人道をどのように構想し実践したかを、さまざまな側面から解き明かすものである。総体として、「死の覚悟」をキーワードとする『葉隠』の多面的かつ矛盾的性格をとらえ、礼賛にも全否定にも傾斜することなく、この書を現代でも活かすための方途を探ろうとするものである。
種村完司『『葉隠』の研究 ― 思想の分析、評価と批判』は、江戸時代の武士道思想書『葉隠』を学術的に分析した研究書。武士の覚悟、忠義、倫理観などの核心テーマを多角的に検討し、思想史的背景や社会的文脈と結びつけながら評価・批判している。単なる解説に留まらず、武士道思想の本質や現代的意義を深く理解するための示唆に富む一冊だった。