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小さくて大人しい子ねこのぴっちは、他のきょうだいたちと違う遊びをしたいと憧れを抱く。アヒルのマネをしたり、ウサギやおんどりの真似をしたりする好奇心旺盛な旅が続くが、ひとりきりの冒険は危険も含み、やがて「家族や仲間のあたたかさ」の価値を再認識する。絵は線が軽やかで、水彩の淡い色使いがぴっちの心の揺れを優しく伝え、石井桃子の訳も文体が丁寧。子どもの好奇心・孤独・帰る場所の安心感を描く古典絵本。読み聞かせにぴったりで、「どこが私にとっての家か」を子どもと話したくなる一冊。