目を覚ますと全く見覚えのない場所にいた…。
ある意味お約束とも言える、そんなシーンからこの物語は始まります。
赤い大地が広がる異様な場所に突然放り込まれた主人公の藤木は、40歳の失業した独身男性。
最初の目的地の第1チェックポイントへ向かう前に出会った女性・藍をパートナーとして、
ゲームマスターの指示通りにチェックポイントを通過しながら、元いた場所に戻る方法を探し求めていきます。
第1チェックポイントには、藤木と藍以外にも7人の人間が集まっていました。
そこから東西南北それぞれのルートに、4チームに分かれて出発することに。
藤木は藍と共に、情報が得られるという北ルートを進んでいきます。
私も情報ルートを選びたいところですが、目先の食糧や武器に釣られて他ルートを選ばないとも言い切れない…などと、
登場人物を自分に置き換えて考えてみるのもちょっと楽しいサバイバルパートです。
ですが、この本のレーベルは角川ホラー文庫であり、作者は貴志祐介さんです。
ここで生き残ればみんな仲良く助かる、なんてことはありません。
不穏程度で済んでいた状況が一気に危機的なものとなってからは、まさにデスゲームといった様相を呈します。
サバイバルの緊張感と、いつ敵と遭遇するかわからないハラハラ感のお陰で、すらすらと読み進められますよ。
ちなみに、ホラーというよりサスペンス小説らしいと感じた私はそこまで怖いとは思いませんでしたが、
人によっては怖いと感じるそうなので、苦手な方はお気を付けください。
ゲームの『バイオハザード』が平気な方は大丈夫だと思います。