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著者が自死を選んだという背景を知った上で本書を手に取りました。いじめに苦しんだ過去という先入観があり、作品の真価を正しく理解できているのか自問自答しながらの読書となりました。
驚いたのは、歌の中に恨みや卑屈さが一切なかったことです。そこにあるのは未来への希望であり、懸命に明日を生きようとする意志でした。
歌が真っ直ぐで、期待に満ちているからこそ、その最期が悲しくてなりません。これほどまでに頑張っていた彼女が、なぜ去らねばならなかったのか。言葉の美しさと現実の重さの間で、深く考えさせられる一冊です。
















