本書では、学校という閉鎖的な空間に存在する、一見すると非合理的で奇妙なしきたりが数多く紹介されています。
それらは、慣習という名の元に疑問視されることなく受け継がれ、生徒や教員の主体性や創造性を阻害している可能性を示唆しています。
特に印象的だったのは、しきたりの根源には、過去の出来事や特定の人物の意向が深く関わっている場合があるという指摘です。
しかし、その理由が忘れ去られ、形骸化したルールだけが残存している現状に、改めて思考停止の危険性を感じました。
私たち自身も、無意識のうちにしきたりを受け入れ、それに従っているのではないでしょうか。
本書は、当たり前だと思っていることに対して「なぜ?」と問いかけ、批判的に考察する重要性を教えてくれます。
学校だけでなく、社会全体にも通じる問題提起であり、自身の行動や思考を見つめ直す良い機会となりました。