なろうで見かけて面白く拝読。絵師の村カルキさんはpixivなどでも有名な方ですね。
正直この表紙を見てエルマの外見が完全にブラクラのロベルタで固定されてしまいました。
内容は監獄生まれのエルマが恩赦で釈放、メイドとして雇われた王城で「普通」をめざすも、本人の思惑とは裏腹にチート無双し続けて信者を増やしていく……というもの。
とにかく八面六臂の大活躍なエルマが痛快です。
才能や地位を鼻にかけた敵役が出てくる→エルマをライバル視→彼女に完敗して改心……というある種お約束の展開が続くのでマンネリと思う人もでるかも。
ですがキャラ同士の掛け合いがコミカルでテンポよく、サクサク読めます。
主人公のエルマのみならず端役脇役悪役に至るまで、憎めない個性を発揮したキャラ立ちはさすが。特に舞踏会でのすれ違いに笑いました。幕間に挿入されるママンと大罪のチェスシーンもお気に入りです。
気になったのは、唐突な現代用語の出現。
インフォームドコンセントやカウンセリングなど、ファンタジー世界には存在しない単語が当たり前の如くポンポン飛び出すのでそこで冷めるというか面食らうというか……フランスやドイツ、イギリスなど、現実の国をモデルにした架空の国名を出すなら、いっそカウンセリング等に相当する造語を創作しちゃうとか、もうちょっとひねって良かったと思います(なお薄い本はネタなので気になりませんでした)
そのギャップがいいって読者もいるし、している行為や着眼点自体は良いので惜しいなという印象です。












