ものすごい作品を読みました。圧倒されて、読み終わった今も頭がぼんやりとしています。どういう感想を持てばいいのか、言葉が見つからないほどです。
時代とともに価値観は変わり、かつて許されていたことが、今は許されなくなりました。この物語には、そうした時代の変化に取り残された者、過去の被害を告発する者、あらゆる搾取を暴力的なまでに許さない強い正義感を持つ者、そして被害者に胸を痛めつつも、世の中とはそういうものだと諦めている者など、様々な立場の人間が登場します。
色々な考えがあり、そのすべてを理解できるわけではない、もやもやとした感情を抱えながらも、必死に物語に食らいついていくうちに、気づけば読み終えていました。
この作品が投げかける問いは、簡単には答えを出せません。それでも、読者の心を強く揺さぶり、考えさせる力があります。本当にすごいものを読んだ、としか言いようがないです。