ありがとう
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h.t
祖父を殺された梨乃と、原子力工学から目をそらして就職しようとしている蒼太、それぞれが自分の過去や挫折を抱えたまま、消えた花を追いかける姿が切なかったです。事件を追ううちに、二人が少しずつ前を向いていく流れは、青春小説としても心に残りました。
一方で、通り魔事件や家族の秘密、国家レベルの思惑まで絡んでいき、誰か一人の悪意では片付けられない広がり方をするのが重かったです。人の欲と恐れが積み重なって、気づいた時にはもう取り返しがつかなくなっている感じが、現実にもありそうで怖くなりました。
