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19歳のヒデがバイト先で出会った、8歳年上の額子。何を考えているか掴めない彼女にのめり込み、溺れていく中で突きつけられた突然の別れ。そのあまりに無情な仕打ちから、ヒデの人生は大きく狂い始めます。
大学卒業、就職、そして親友ネユキの喪失——。
順調に見えた生活から一気に転落していく描写には、息を呑むような凄まじさがありました。私自身はお酒を飲まないので、アルコールの怖さは想像するしかありませんが、「飲むと駄目になるとわかっていても、飲まずにはいられない」という、どうしようもない絶望感には背筋が凍る思いでした。
物語の終盤、片腕を失った額子と再会したヒデ。
二人には、それぞれを支えてくれる優しい人が傍にいました。それでも結局、似た者同士の「ばかもの」として一緒にいる道を選んだ二人……。
傍から見れば愚かに見えるかもしれません。けれど、地獄のような淵から立ち直るために本当に必要なのは、平穏を与えてくれる「優しい人」ではなく、魂を揺さぶる「愛する人」だったのかもしれません。
痛々しくも、どこか切実な救いを感じさせる一冊でした。
















