『カントにおける〈法〉中心の自由論 商業平和論/デモクラシー平和論へのアプローチ』(桐原隆弘)は、カント哲学における法と自由の概念を軸に、現代の平和論—特に商業平和論やデモクラシー平和論—との関連を探求した学術書である。法に基づく自由の理論を整理しつつ、国家間の平和や民主的制度との関係性を分析。カント哲学を現代の国際関係や平和構築の文脈で理解するための理論的視点を提供する専門的な一冊である。
カント政治哲学の規範的観点のもつ歴史的・現代的意義を、同時代から現代にかけての政治社会思想史との関連のなかから読み解く。
カント政治哲学の歴史的・現代的意義について、英米独の政治社会思想史をふまえ、かつ社会的現実および人間の自然本性についてのカントの言及に着目して、平和構築への具体的展望を念頭に置きつつ明らかにする。
史的・現代的意義について、英米独の政治社会思想史をふまえ、かつ社会的現実および人間の自然本性についてのカントの言及に着目して、平和構築への具体的展望を念頭に置きつつ明らかにする。
序 論
第1章 法秩序の歴史的生成
1-1 歴史進歩の法則性
1-2 人類? 自然? -進歩の主体
1-3 〈人間の意図〉と〈自然の意図〉それぞれの領分
1-4 外的な完全性の「目的」としての内的な完全性
第2章 アメリカ政治哲学におけるカントの自由主義〈陣営〉イデオロギー化
2-1 カール・ヨアヒム・フリードリヒにおけるカント哲学と国際連合憲章
2-2 マイケル・W・ドイルのデモクラシー平和論
2-3 敵対を鎮静化させる〈自然法則〉
2-4 自由主義〈体制〔regime〕〉の思想基盤としてのカント?
2-5 世界市民法における個人の権利と商業平和論
2-6 フェルナンド・テソンにおける個人の規範的地位と革命権論
2-7 〔補足〕便利なプラットフォームとしてのカント?
第3章 カントの商業平和論
3-1 利己心の相互抑制による平和構築・維持
3-2 カントの「法則〔Gesetz〕」概念
3-3 カントにおける普遍的な法と自由
3-4 カントにおける商業平和論と自然目的論
第4章 商業平和論の系譜と批判
4-1 商業平和論の系譜(その1;ヒュームとベンサム)
4-2 フィヒテによる商業平和論批判
4-3 ゲンツによる閉鎖商業国家論批判
4-4 商業平和論の系譜(その2;アダム・スミス)
4-5 フリードリヒ・リストの「政治経済学」
4-6 商業平和論の系譜(その3;スペンサー)
4-7 シェーラーの商業平和論批判
第5章 カント私法秩序論の経済秩序論への読み替え
5-1 感性的・物理的占有と可想的・法的占有
5-2 「物自体」としての占有対象
5-3 「間接的」関係としての可想的占有
5-4 「共同性」を前提とする可想的占有
5-5 「外的表徴〔äußeres Zeichen〕」としての経験的占有の対象
5-6 「物件の人格化」
結論と展望
参考文献
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