今までより、更に一段階面白くなったと感じる巻です。
大国の刺客による毒で心が幼児退行してしまったテュール国王が持つ宝珠を受け取ったフレイヤは、『古の誓い』を結んだ同盟国を味方につけるための旅で、船上に身を置きます。
王子として偽っているフレイヤが、身分を隠して密航するため更に女装するという少しややこしいことになった状況で、ディーという男性と出会います。
王子から託された大切な願いを運ぶ、火を灯した松明として皆を守りたいフレイヤが、自分に何ができるか模索する姿は健気です。
海賊船に襲撃されて、隠れて警護していたユリウスやアレクが応戦する中、フレイヤを惚れた女扱いするディーが、大将首を一人で狩って強さを見せつけます。
フレイヤに正体を明かしていませんが、ディーはシグルスの新皇帝でした。
頂点に立つ自分を誰も責めないから自分だけは自分を怒り続けなければならない、と言う姿から、王の在り方を見せられた気がしました。
シグルスに征服された、「王権の五宝珠」を持つ旧ナハト王国の地で、男好きのゾフィ王妃に接触するため、ユリウスの美貌を有効活用します。
城への潜入を果たしたフレイヤたちは、処刑人として市民から恐れられている王妃の侍女エッダの凶行を止めてほしいと頼まれます。
ユリウスがエドヴァルド王子と出会い、王者のために生きて死ぬ喜びを知り、命を捧げるまでになった過去が分かる、特別編も収録された必見の巻です!