ありがとう
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静かだけれど、じわじわと心に沁み込んでくるような物語で、読み終えたあともずっと余韻が残ります。ファン・ジョンウンの文章は淡々としているのに、その奥にある感情の波がひしひしと伝わってきて、まるで登場人物の孤独や痛みを自分のもののように感じてしまいました。「私とは何者なのか?」という問いが全編を通じて響いていて、読んでいるうちに自分自身の存在についても考えさせられる。派手な展開はないのに、一言一言が刺さるから、何度もページをめくり直してしまいました。