ありがとう
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読んでいるあいだずっと「ここまでやるのか」という感情と、「でも目が離せない」という中毒みたいな感覚のあいだを行き来していました。阪神淡路大震災というスタート地点から、ここまで冷酷でスケールの大きい物語になるとは思いませんでした。
いちばん怖いのは、血や暴力ではなく、美冬の空洞みたいなまでの強さでした。白夜行の雪穂にも通じるようで、でもどこかもっと徹底していて、人間味の欠片さえ武器にしていく感じが、本当にゾッとします。雅也の視点だけが生身の体温を持っているからこそ、彼の魂が少しずつ削れていく様子が痛かったです。
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特に印象深かったのは、美冬の妖艶で冷酷な魅力と、雅也という人間の内面が壊れていく過程の描写が重層的に描かれており、読むほどに背筋が凍り、逃げ場のない“夜”に引きずり込まれるような圧迫感がありました。 
また、登場人物たちの生き様そのものが、「夜=偽りの昼」「救いのない人生」というタイトルの奥深さを体現していて、読後、その暗さと重みがずっと心に残りました。 
総じて、『幻夜』は、ただのミステリーを越えて、人間の欲望と絶望、裏切りと孤独そして救いのなさを抉る、非常に強烈で記憶に残る作品だと感じました。












