全身タトゥーだらけで、生活保護のお金もすぐに使い果たし、お酒に溺れる母親マリーゴールド。自分の欲望を優先し、二人の娘をほったらかしにする彼女は、客観的に見れば無責任としか言いようがありません。
そんな母を、幼い妹のドルは純粋に慕い、姉のスターは母の代わりに妹の面倒を見ながら、冷ややかな視線を送っています。
物語の最中は、この危うい家庭がどうなってしまうのか、終始ヒヤヒヤしながら読み進めました。母親には向いていないけれど、彼女なりに娘たちを愛してはいる……そのいびつな愛情が、余計に胸を締め付けます。
結末は、なんとも言えない余韻を残すものでした。心にジーンとくるものはありましたが、それを手放しに「ハッピーエンド」と呼ぶには躊躇してしまう、複雑な感情が残ります。
ネグレクトという重いテーマの中に、家族の絆の残酷さと美しさが同居しているような、深く記憶に刻まれる一冊でした。











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