タイトルに海の含まれる小説7選
海の香りがただよってきそうな小説たちをご紹介します。荒涼とした海辺の町を舞台にしたミステリーや、海を航海する冒険物語が好きな方には、きっと楽しんでいただけますよ。青い海と空、白い浜辺、自由を象徴する海は、豊かな表現力で描かれています。また海外の名作もピックアップ。南国の静かな海を描いたロマンス小説や、北の海に浮かぶ孤島を舞台にしたスリラーも含まれています。あらゆるジャンルの海が描かれていて、皆さんにぴったりの1冊が見つかるはず。これらの作品を読むと、まるで海辺にいるかのような錯覚に陥るかもしれませんよ。
『海がきこえる 〈新装版〉』
「あたし、高知に行くまでは世間とうまくやってるいい子だったのよ。あれからずっと世間とずれっぱなしの気がする」大学進学で上京した杜崎拓は「ある事件」で疎遠になった高校時代の転校生・武藤里伽子が、地元大学への進学を蹴り東京に舞い戻った事を知る。気まぐれな美少女に翻弄されながら、その孤独に耳を澄ました短い日々を回想する拓に、思いもかけない再会の機会が訪れる。
作者 | 氷室冴子 |
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価格 | 880円 + 税 |
発売元 | 徳間書店 |
発売日 | 2022年07月08日 |
『ななみの海』
児童養護施設で暮らす高校生のななみ。「馬鹿にされちゃアいけない」と小学生の頃から祖母に言われ続けた言葉を胸に、医学部進学を目指して受験勉強に励む日々を送っている。進学費用のための懸命なアルバイト、ダンス部仲間との最後の文化祭、初めての彼氏…など、高校生活を色濃く過ごすなか、高三の夏、ななみが自分の意志で選びとった道とはー。新たな世界へと踏み出す少女の心許なさを掬いとりながら、前途を温かく照らす感動長編。
作者 | 朝比奈あすか |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | 双葉社 |
発売日 | 2022年02月17日 |
『小説 水は海に向かって流れる』
高校1年生の直達は、入学を機に、学校から近い叔父の家に住むことに。雨が降る中、最寄り駅に彼を迎えに来たのは、無愛想な年上の女性・榊。なんと叔父は、OLの榊、占い師の颯、学者の成瀬とシェアハウスをしているという。榊にほのかな想いを抱き始める直達。だが、ある理由から彼女は「恋愛はしない」と心に決めていてー。一つ屋根の下で生まれる、10歳差の恋物語。
作者 | 森 らむね/田島 列島/大島 里美 |
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価格 | 693円 + 税 |
発売元 | 講談社 |
発売日 | 2023年05月16日 |
『海とジイ』
作者 | 藤岡,陽子 |
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価格 | 不明 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2022年09月 |
『海が見える家』
入社一ヶ月で会社を辞めた直後、田舎暮らしをしていた父の死を知らされた。電話は知らない男からだった。孤独死したのか。文哉が霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。家族に遺されたのは、丘の上にある、海が見える家。文哉は早々にその家を処分するため、遺品整理をはじめる。そして、疎遠にしていた父の足跡をたどると、意外な事実を突きつけられていくのだった。夏、豊かな自然が残る南房総の海辺の暮らしを通して、文哉はもう一度自分の人生を見つめる時間を過ごす。「幸せとは何か」を静かに問いかける、著者、新境地の感動作。
作者 | はらだ みずき |
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価格 | 715円 + 税 |
発売元 | 小学館 |
発売日 | 2017年08月08日 |
『ガラスの海を渡る舟』
脆くて、同じものは一つもない。人生はまるで、ガラスみたいだー。みんなと同じ行動がとれず、他人から疎まれてしまいがちな兄の道。落ちこぼれでも優等生でもなく、なんでも平均的にこなせるけれど、「特別ななにか」が見つからない妹の羽衣子。祖父の遺言をきっかけに、ともにガラス工房を引き継ぐことになった、相容れない二人の絆の行方とはー。大阪・空堀商店街にあるガラス工房で兄妹が過ごした、愛おしい10年間を描く感動の物語。
作者 | 寺地 はるな |
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価格 | 1760円 + 税 |
発売元 | PHP研究所 |
発売日 | 2021年09月13日 |
『海の見える理髪店』
作者 | 荻原,浩,1956- |
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価格 | 不明 |
発売元 | 集英社 |
発売日 | 2019年05月 |
それでは、私たちの素敵な海の旅はいかがでしたか。海といえば広大で無限大の可能性を秘めていますよね。その海を舞台に物語が進行することで、主人公たちは自身の内面を見つめ、内面の成長を遂げていきます。それぞれの作品が提示する海の風景は千差万別で、海が持つ色々な魅力が全て被っている訳ではありません。しかし、その原点に流れているのは作者自身の、「海」への愛情とリスペクトです。
今回私がおすすめした小説を通じても、海の豊かさ、恵み、美しさ、躍動感、そして時としての厳しさや恐ろしさを感じられたのではないでしょうか。それぞれの物語は、海が持つ魅力を最大限に活かしながら研ぎ澄まされた感性と物語によって紡がれています。
それぞれの作品から、読者の皆さんも様々なことを感じ、思うことがあったと思います。そんな皆さんが、自分だけの「海」を見つける手がかりになれば嬉しいです。海を精神の広場として捉えた作品、海を冒険の舞台とし成長を描いた作品、海を人間の欲望を映し出す鏡とした作品、それらはすべて私たちに海の広さを教えてくれます。
私たちが海への想いを書物を通じて語ることは、海への敬意を忘れることなく、そして海を守り続けるという意志を引き継ぐ一助となると信じています。せっかくの海の意義を伝える素晴らしい作品群の輪郭と質感を楽しみ、一緒に考え、感じてくれた皆さんに心から感謝します。
これらが皆さんの「海」への旅の一助となればうれしいです。きっと次に海辺に立った時、それぞれの作品が頭の中をよぎることでしょう。それが皆さんにとって、この旅の一環となりますように。ここまで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。また、次の旅でお会いしましょう。万が一、海のそばに行く機会があるなら、そこに流れる波の音を、風の匂いを、心地よい砂の感触を、ぜひ思い出してみてください。読書の旅を楽しんでいただけたことを願っています。
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