現代語訳の更級日記 おすすめ5選 平安時代の日記文学をわかりやすく

そんな素敵な方々がいますね、平安時代の日記文学を取り上げて現代語訳にするという。私が紹介するのは、そんな先人たちの努力が結実した、「更級日記」の現代語訳5選です。もちろん、一つひとつが単なる興味本位のものなんかじゃないですよ。あの愛らしい筆者・更級の局の語り口を、時代を超えて私たちに伝えてくれる素晴らしい現代語訳です。それぞれの訳者の個性が映し出された五つの世界。きっとどれを手に取っても、あなたの心を掴んで離さないはず。古代の美しさ、哀しみ、恋心、すべてが今を生きる私たちにも通じるんです。ぜひ一度手に取ってみて下さいね。
『更級日記』
| 作者 | 菅原孝標女,1008- 江国,香織,1964- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 河出書房新社 |
| 発売日 | 2023年11月 |
『新訳更級日記』
『更級日記』の魅力を存分に引き出した新訳の誕生!
古典の奥の奧までわかる。物語の背景を的確にとらえた現代語訳が、一行のウラに潜む凝縮された更級日記固有の世界にわれわれを導く。
はじめに
1 東海道紀行……憧れは西へ(十三歳)
物語の待つ都へ
取り残された薬師仏
雨の日の旅立ち
水底の門
くろとの浜
月光哀歌
東国に下り住んだ皇女様
隅田川を渡る
地名のおかしみ
夢幻のクレバス
駿河の国に入る
神々が集う富士の山
浜名の橋
三河の国の旅
恐るべき満ち潮と、足柄幻影
晴れやらぬ雪の逗留
来迎の神秘
2 広壮な屋敷で紡がれる夢……物語愛づる少女(十三歳から十七歳)
物語への飢渇感と、焼け石に水
継母との別れ
相次いだ春の訃報
『源氏物語』を読む夢を叶える
十四歳の夏秋 天照御神
猫に生まれ変わった姫君
『長恨歌』と七夕
死を思う姉と、荻の葉情歌
自宅の火災と、そして猫の死
狭い家に移る
飛び去りし姉
死の波紋を描く物語
悲しみの連珠
吉野を思う
3 東山での日々……淡い恋の記憶(十八歳から二十四歳)
父親の不遇を、恋人と悲しむ
東山に移る
山の井の雫
物語の女たちを憶う
時鳥を独り占め
東山の秋
心の友は、どこに
東山から戻る
東山再訪
露の哀れ
継母への抗議
物語への永遠なる憧れ
4 父、遠くへ去りぬ……寄せては返す夢のさざ波(二十五歳から二十八歳)
「常陸の介」になった父
秋の別れ
太秦で父の無事を祈る
散乱たり、荻の葉。そして、夢もまた
子忍びの森
清水寺で見た夢
長谷寺の鏡の夢
天照御神
修学院の尼
5 祐子内親王家への宮仕え……文化サロンの萌芽(二十九歳から三十二歳)
父、帰る
西山の山荘
宮仕えの誘い
初めての出仕
師走の里下がり
前世の夢
御仏名
6 結婚と貴公子……世俗的な夫と、物語的な男(三十三歳から三十七歳)
結婚
物語への疑い
内侍所で天照御神を拝む
冬の女房生活日誌・その一
冬の女房生活日誌・その二
冬の女房生活日誌・その三
宮廷の風雅、殿上人との季節の語らい
時雨の夜のなごり
7 物詣の旅……宗教的な旅の思い出(三十八歳から四十九歳)
家刀自の自由を、石山詣
都の華やぎを後に、初瀬詣
宇治川の網代
鞍馬の春秋
石山寺、再訪
初瀬、再訪
家庭生活の満足と、期待
越前に下った女友達
西山で孤独を思う
太秦に籠もる
同僚の女房たちとの友情
和泉の国への舟旅
8 姨捨山の月……物語を求め続けて、今(五十歳から五十二歳)
夫、信濃の国司となる
夫と息子の旅立ち、不吉な人魂
夫の死
夢は、みんな壊れた
阿弥陀仏の夢
更級の姨捨山
孤独を生きる
移り行く刻と、人生の悲哀
藤原定家の奥書・その一
藤原定家の奥書・その二
解説
| 作者 | 島内 景二 |
|---|---|
| 価格 | 1980円 + 税 |
| 発売元 | 花鳥社 |
| 発売日 | 2020年03月31日 |
『更級日記 現代語訳付き』
夢見がちな感性をもって描かれた平安時代の日記文学。作者13歳の時、上総介の任期を終えた父との上京に記事は始まる。東国に育った作者が京に上り、恋焦がれていた物語を読みふけった少女時代、晩おそい結婚、夫との死別、その後の侘しい生活と、ついに少女期の憧れを結実させることのなかった一生の回想録。平凡な人生の断片の輝きが、今なお、われわれを惹きつけてやまない。懇切な注と自然な現代語訳で手軽に読み解く。
凡例
一 物語に憧れる日々
二 京への旅立ち
三 昔の跡、くろとの浜
四 乳母を見舞って
五 竹芝の伝説
六 「すみだ川」と「もろこしが原」
七 足柄の遊女
八 「富士山」と「清見が関」
九 富士川の伝説
一〇 病、そして遠江へ
一一 三河、尾張へ
一二 美濃より近江へ
一三 旅の終わり
一四 物語を求めて
一五 継母との別れ
一六 乳母、侍従の大納言の御むすめの死
一七 『源氏物語』耽読
一八 花橘
一九 紅葉
二〇 夢告のことなど
二一 土忌の宿
二二 猫と夢と
二三 長恨歌の物語
二四 月夜の語らい
二五 火の事
二六 姉の死
二七 姉の乳母
二八 「司召」の失意
二九 東山へ
三〇 山里のほととぎす
三一 鹿の音
三二 有明の月
三三 帰京
三四 東山再訪
三五 旅なる所
三六 継母の名のり
三七 「浮舟の女君」夢想
三八 父の任官
三九 出立、別離
四〇 太秦参籠
四一 荻の枯葉
四二 子しのびの森
四三 清水の夢告
四四 初瀬の夢告
四五 天照御神
四六 修学院の尼へ
四七 父の帰京
四八 西山に住む
四九 母の出家、父の隠遁
五〇 初出仕
五一 十二月の出仕
五二 里の父母
五三 前世の夢
五四 宮の御仏名
五五 結婚、家庭へ
五六 物語の夢ついえる
五七 宮家に再出仕
五八 梅壺の女御
五九 冬の夜
六〇 水鳥の歌の贈答
六一 友との語らい
六二 時雨の夜の思い出
六三 石山詣で
六四 初瀬詣で
六五 鞍馬の春秋
六六 石山寺の夜
六七 初瀬詣で再び
六八 充足の日々
六九 越前の旧友
七〇 奥山の春
七一 太秦へ
七二 二人の友と
七三 筑前の友
七四 和泉往還
七五 夫の任官
七六 任国下向
七七 夫の死
七八 悔恨
七九 阿弥陀仏来迎の夢
八〇 姨捨
八一 涙の日々
八二 孤独の日々
補注
解説(付 更級日記関係地図・更級日記関係系図)
更級日記略年表
和歌初句索引
重要語句索引
| 作者 | 菅原孝標女/原岡 文子/角川書店装丁室 |
|---|---|
| 価格 | 946円 + 税 |
| 発売元 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2003年12月25日 |
『更級日記』
孝標女研究の第一人者が読みとく、『更級日記』の決定版。現実に裏切られつつも、夢を捨てきれなかった女の一生を、現代に蘇らせる。原文と現代語訳付き。
| 作者 | 池田利夫/著 |
|---|---|
| 価格 | 1300円 + 税 |
| 発売元 | 笠間書院 |
| 発売日 | 2006年06月01日 |
『更級日記』
| 作者 | 菅原孝標女,1008- 川村,裕子,1956- |
|---|---|
| 価格 | 不明 |
| 発売元 | 角川グループパブリッシング |
| 発売日 | 2007年04月 |
これまでに紹介した5つの現代語訳更級日記は、平安時代の日記文学が持つ風雅さと深遠さを、現代の言葉で解き明かしたものです。それぞれの作品は、平安時代の女性の生活や心情を繊細に描き出し、今の私たちが生きる現代とは異なる時代の息吹を感じ取ることができます。
独特な表現や敬語が難しく、敬遠しがちなクラシック文学ですが、現代語訳によりその壁を取り払い、過去の時代の美しさや人々の感情に触れることが容易になります。言葉の違いを越えて伝えられる人間の心情や情動、社会のあり方等、積み重ねられた歴史の物語に触れることで、自身の生き方についても考えるきっかけになることでしょう。
自然の四季の移り変わりや人間関係、情緒に富んだ表現は、現代の言葉で解釈されることで新たな魅力を引き出します。また、古典文学特有の品格や気品を持つ文体は、現代日本語にはない美しさを感じさせてくれるはずです。
今回紹介した5選は、それぞれ異なる視点や解釈を持つ現代語訳ですが、そのどれもが更級日記の世界を豊かに広げてくれます。味わい深い古典の世界に足を踏み入れ、そこから何を感じ、何を学び取るのかは、読者自身の感性に委ねられます。単に過去の出来事を記録しただけのものではなく、人間の感情や思考、時代背景を綴った貴重な記録、それが更級日記です。そんな更級日記の魅力を、これらの現代訳を通じて存分に味わってみてください。
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